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正義とは?【哲学】

正義とは何か

今回は、「正義」に関する本をご紹介します。 

マイケル・サンデル氏『これからの「正義」の話をしよう-いまを生き延びるための哲学』です。

私たちの住む世界には、様々な社会問題が存在しています。

普段ニュースや新聞で見聞きするものでいえば、例えば自殺、格差、高齢ドライバーなどがたくさんあります。

そのどれもが「正義」、正しい行いとは何なのかという問題と絡んでくるのです。

そういった社会問題を道徳的側面からを考える本です。

暴走電車の問題

この倫理問題をご存じの方は多いと思います。

あなたは電車の運転士ですが、突然電車が暴走を始めました。そのまま行けば線路上で作業をしている5人をひき殺してしまいます。もし、路線を切り替えれば一人の作業員を引いてしまいます。(もしくは運転士ではなく、あなたは線路の脇にいる人で、路線を切り替えることができるという問題なら知っているという方もいると思います。)では、あなたは線路を切り替えるべきでしょうか。

この問題では、路線を切り替えるという方が多いと思います。

ではこの場合はどうでしょう。

あなたは橋の上からこの状況を見ており、隣には太った男がいます。その男を突き落とせば電車は止まるものとします。このとき、あなたはこの男を突き落とすべきでしょうか

このときは、何もしない方が多いかと思います。

何が違うのでしょうか?

 

こういった問題には唯一絶対の正解はないと私は思います。

しかし、対立する意見を知り、その意見はどうような道徳的観念から導き出すことができるのかを知ることは、重要です。

本の概要

第1~第3章は、「功利主義」「リバタリアニズム(自由至上主義)」の考え方とその対立についてです。

第4章以降は、イマヌエル・カントジョン・ロールズアリストテレスなど具体的な哲学者の考え方を通して問題を見るという構成になっています。

功利主義

幸福を人生や社会の最大目的とする倫理・政治学説。「最大多数の最大幸福」を原理とする。英国のベンサムやミルによって唱えられた。*1

リバタリアニズム(自由至上主義)

他者の自由を侵害しない限りにおける、各人のあらゆる自由を尊重しようとする思想的立場。*2

感想

正直な感想を述べると、全体的に難解な言い回しや、論理の展開があり読んでいて難しかったです。

私のレベルでは、皆さんにこの本の魅力を明確に伝えることはできないと思います。

しかし、ひとつ言えることは、その意見はどういう考え方に属しているのか(功利主義なのか、リバタリアニズムなのかなど)を知りその枠組みを学べたことだけでも大きな収穫だということです。

特に印象的だったのが、イマヌエル・カントの章で、自由とは何かが論じられている部分です。

カントの考える自由な行動とは、自律的に行動することだ。自律的な行動とは、自然の命令や社会的な因習ではなく、自分が定めた法則に従って行動することである。

 この言葉を読んだとき、とても衝撃を受けました。

例えば、のどが渇いていて「水を飲もう。」というのはカント的には「自由」とは呼べないということなのです。

では何が自由なのか?

それは、目的そのものを目的そのもののために選択することだ。

 んー。なんとなく分かったような、分かんないような...やっぱり難しいです。

この本の良いところは、問題や対立の実例を示しているため、対立の構造が分かりやすいという点です。

本当に様々な事例が出てきて、考えさせられます。

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最後に

正義って何だろうか、何が正しいのだろうと思ったことがある方、少し難しいけど哲学に挑戦してみたいという方は、ぜひ読んでみてください。

全部が理解できなくても、少しでも何か学び取ることができれば素晴らしいのではないでしょうか。

私ももう一度読み直してみようと思います。

今回は、言いたいことがうまく伝えられたかあまり自信がないですが、最後まで読んでいただいた方に感謝します。

ありがとうございました。

*1:デジタル大辞泉

*2:デジタル大辞泉